「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が2022年4月1日に施行されました。過去に発生した杉並病は、公式には廃プラ処理で発生した気体が原因の健康被害とは認められておらず、この教訓が生かされないまま寝屋川病が発生しました。どのようなことが杉並で起こったのかを知ってもらうために「絵でとく健康への環境対策」を全文公開します。
本サイトで化学物質による環境汚染の理解が深まり、健康被害の予防、救済、解明につながることを祈ります。
柳沢 幸雄
柳沢 幸雄
やなぎさわ ゆきお/Yanagisawa Yukio
【現職】
学校法人北鎌倉女子学園 学園長
東京大学名誉教授、工学博士
【略歴】
1947年生まれ。1967年開成高校卒業、1971年東京大学工学部化学工学科を卒業。コンピュータ会社のシステムエンジニアとして3年間従事した後、東京大学大学院で大気汚染を研究し、工学博士号取得。東京大学助手を経て、1984年よりハーバード大学公衆衛生大学院に移り、助教授、准教授、併任教授として教育と研究に従事。また1993年より、財団法人地球環境産業技術研究機構の主席研究員を併任。1999年東京大学大学院・新領域創成科学研究科・環境システム学専攻・教授。主要な研究テーマは空気汚染と健康の関係を実証的に明らかにすること。2011年より2020年まで開成学園校長、2020年より現職。
大気環境学会副会長、室内環境学会会長、臨床環境学会理事、NPO法人環境ネットワーク文京副理事長、REC(中・東欧地域環境センター、在ハンガリー)理事などを歴任。大気環境学会名誉会員、室内環境学会名誉会員、ISIAQアカデミーフェロー。
【環境関係の主要著書】
・空気の授業(ジャパンマシニスト 2019)
・Chemical Sensitivity and Sick-Building Syndrome(CRC Press 2017)
・化学物質過敏症(文春新書 2002)
・CO2ダブル(三五館 1997)
・How to Conquer Air Pollution: A Japanese Experience(Elsevier 1989) など
大阪府寝屋川市では、廃プラスチックリサイクル施設が2005年4月に操業を始めて以来、写真のような湿疹が顔を含む全身に出るなど、多様な健康被害が生じました。薬などでは治らず、遠方に引っ越すことで治癒された方もいました。
このブログでは寝屋川病被害者の方に寄稿いただき、住民が訴えた健康被害、医師の検診結果、疫学調査の結果、研究者により解明された原因物質とその拡散の仕組み、甚大な被害を及ぼすプラスチックリサイクルの問題点などをご紹介します。